1017.jpg 10月17日 ben岡山着
旅人、農家に泊まる
S.T.のM.T.(セイント・トラベラーのミラクル・トリップ)シリーズ4

『旅人、農家に泊まる』

1 夏
 「暑いな、シルバー、今日もお願いするよ」旅人は額の汗をぬぐって、銀色の馬の脇腹を少し蹴った。シルバーは高原で手に入れた馬だ。ただの馬では無い。額に一本の美しい角がある。そう、失われた種、ユニコーンなのだ。
 シルバーのすばらしさについて少し紙面を割かなくてはならない。シルバーは突然変異で生まれたもので、ミッシング・リンク=進化の過程を超越している。毛並みは銀色で縦髪は、風に吹かれると銀の粉が舞うようだ。特に金具を着けると、子供と買い物袋を運搬する、いわゆる御婦人仕様だ。乗る人の思念を読み、賢く判断し、一日に千里を走る。夜を徹して走ることもいとわない、勇敢な馬だ。しかしそれは本文とは関係ない。
 雨が降らない。水道設備と物質運搬の整った現代では人が水に飢えることは無いが、作物の灌漑は影響を受ける。この国の北から南まで、整った水田に水は涸れていた。
 旅人は、昼時のコンビニに寄り、食物と飲み物を買い、シルバーと分け合った。相変わらず暑い。もう9月だというのに、気温は30度を超え、通りのアスファルトは車の排気と焼けた日射で陽炎が見えるほどだった。

2 集落で
 お祭りだろうか。人々が集っている。太鼓をたたいて、祝詞をあげて。そう雨乞いをしているのだ。あちゃ。此処、香川?四国?千引の大学時代は香川だったが香川は四国山脈と中国山脈の真中にあるので雨が降らない。さめうらダムというのから用水を引いているが毎年の渇水は深刻である。旅人の旅と関係あるの?まあ、こういうイジワルもアリとして・・・。此処は四国。
 ”お天道様、お天道様、雨下さい、雨降れ雨降れよさこいよさこい、それは高知・・・”
 五平は旅人を見ると、雨乞いの集団から分かれて駆け寄って来た。「旅人。どこから来たの?」五平は超能力がある少年だ。「遠いとこから彼方まで。千里の今を駆け抜ける。それおいらの、いうなれば仕事というものだ。」次のシリーズを見越してか、旅人の口調はどこか七五調だ。遠山の金さんか清水の次郎長か、はたまた昭和の雄、葛飾柴又の寅さんか。語るさ語るさ売り口上。
 旅人が目を向けると、五平の草鞋(わらじ)から金粉が舞った。そう五平は前世で聖者だったのだ。”シュダオン(須陀苑)”というのが正式名称だが、清められた聖者で、4度ほど生まれ変わると完全なる悟りを得て、お釈迦様のように輪廻の輪から脱した紫微実相宮という世界に還るが、落第生でもう一回でゴールだったのじゃ。五平は旅人の乗ったユニコーンと、旅人の聖者のわっかを見て全て悟った。そして言った。
 「旅人、絵を書いて。秋になって稲がたわわに実って、僕らが収穫しているところを。コンバインでもいい。鎌で刈ってふいごで漉(こ?)しているところでもいい。リニアコンバインでもいい。パワードスーツでも、それが宇宙ステーションでも、火星でも、M38星雲の一つでも。ウルトラマンでも。−−−どこでも人はヒトだろうから。」
 旅人は、シルバーに積んだ荷物から絵具を出して、水彩画で!基本的な、紙に水を溶いて書くのかどうか知らないが、基本的な水彩画で!絵を描きあげた。時代を超えて、世紀を超えて、どういう星だとか、どういう国だとかを超越して、秋になって稲がたわわに実って、五平達がそれを収穫して、微笑んで、微笑んでいるところを。いっぱいの笑顔を。ヒト(ホモ=サピエンス)と稲(オリザ・サティバ)の永遠を。

3 秋
 秋、旅人の旅が、まあ、終結したのかどうかはわからないが、一時的な完結か、永遠の目的地を見つけたのかは、旅人に聞いてみるしかないが、終わった、秋。五平は、いっぱいの笑顔で稲を収穫した。暑かった夏は無事に終わり、今年は初夏の長雨で収穫量は少し低いかもしれないが、まあ、無事収穫できた。善き哉、善き哉。

4 そして未来
 旅人の絵は、毎年毎年の収穫を暗示しているのだった。来る年も来る年も。核戦争があって核の冬があった年はそれなりにシェルターの中で、月面基地、宇宙ステーション、火星、M47星雲の惑星、ウルトラマン、時代を超えて、世紀を超えて。万の年、兆の年、京の年、さらに無料大数・・・。ヒトはオリザを営むのだ。ヒトの営みは永遠の永遠の永遠なのだった。

5 結論
 旅人と旅人の書く絵は至高芸術界に永遠に、殿堂に入った。ゴッホのひまわりの様に。ミケランジェロのダビデの様に。ダヴィンチのモナリザの様に。夢二の立田姫の様に。
 旅人の旅は永遠の栄光!

6 惑星を人が棲むために
 月に人が着陸した時、空気も何もない、こんなんすめるか!という人もいるが、私はそうは思わない。月面基地はショボいが、水素爆弾をぶちこめば、マントル活動が盛んになって、火山活動から水が出来、元素からアミノ酸、さらにコアゼルベーションという膜に生体が包まれ、生命が誕生し、植物と動物、真中まで、できるというのをアメリカの学者が言っているのをテレビで見た。そうなれば我らは、7日間で天地を創造した神だ。とてつもない時間をかければデキル、デキル、デキル。
 それまで、ヒトは絶滅しないでいられるか。ヒトはひとであるか。違う生物になるのか。全く別物が生きるのか。

7 体露金風
 千引はお茶を習いました。茶室で床の間によく掛かっていました。先生が短冊に書かれた、体露金風。
【体露】 そのまま露われ出ているさま。
【金風】 秋風のこと。秋は五行説(木、火、土、金、水)では金にあたる。よって秋風のことを金風という。
 秋深まり木々は生気を失い落葉し、早や地上では枯れ葉舞う季節である。この情景を眺めて、ある僧が雲門和尚「和尚もこの時期のように大分お年を召されたようですが、近頃はどんな心境でおられますか?雲門すかさず「体露金風」=わたしはもう煩悩妄想の木の葉をすっかり吹き払った秋風のように無心で、すっきりした心境だよ。と答えた。そこには是非、善悪、好悪とか言う分別心の枝葉も削ぎ落ちてしまっている。あらわれでたる真実そのものの境地を吐露したことばである。
コレ全部、引用。http://www.jyofukuji.com/10zengo/2000/11zengo.htm
承福寺のナントカ老師。千引も台湾風マッサージ寺の常習老師。煩悩丸出し!VIPコース壱萬五千円でスッキリ!

8 制作後記
 シリーズ完結編。しかし、旅人、泊まってないがな。困ったな。
 特にben画伯の絵に、収穫の絵があるというわけでもないがな。物語だからな。ben画伯大丈夫か?無事帰ってきてよ。
 番外編に『トラベラー・ウルフ』。次郎長べらんめえの旅人です。次回予告。ポチっと押して頂ければ、感謝です!!→にほんブログ村 美術ブログ アクリル画へ にほんブログ村 美術ブログへ FC2 Blog Ranking いつも、励みになっています。感謝!感謝です。
10/10 01:41 | benの真剣しら受けどり(山にいくまでの) | CM:1
お名前

ホームページ

コメント

パスワード
   
template design by takamu
Copyright © 2006 ben&kou All Rights Reserved
FC2ブログ