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作品No.259毎日原画 5月21日「マッチを買った日」
マッチを買った日


ben(コメント)
今日の毎日原画を発表致します。タイトルは、”マッチを買った日”です。
絵の舞台は、村にあるタバコ屋です。
山小屋に住む少年。
タバコ好きな猟師。
タバコ屋の娘。
この三人がおさまったシーンですね。
老絵描きは、タバコ屋のことを”七枚の絵、七つの話”の中でこう説明しています。

~山をおりたところの小さな村に、田畑を耕しながらタバコ屋を営む家がある。店番は家族で一番人づきのよい次女の若い娘がやっている。~

そして少年は、そのタバコ屋の娘に恋をしているんですね。少年は、娘と会話をしたいために、頻繁にタバコ屋に行き、その都度マッチを買います。それでしょっちゅうマッチは売り切れてしますんですが、それで、困っているのがタバコ好きな猟師なんですね。
「タバコに使うマッチを買おうと思うと、いつも売り切れだ」と。
今回描いたシーンは、「あれ!?あの子は、確か山小屋に老人と一緒に住む小僧だ。タバコ屋なんかに、なんの用があるんだろう?」と、猟師が振り返っているところです。
このあと、猟師はタバコ屋でマッチを買おうとすると、また売り切れなので、「ど。ど...どうしてー?」と、娘に聞いたのでしょう。
それで、老絵描きがマッチを大量に買い込んでいることを知ると、(実は少年の嘘なんですが)猟師は、老絵描きに一度、質問をしない訳には気がおまらなくなったのでしょう。そうこう言ってやらないと。

~「いや、最近よくマッチを買うね。わしが行ったら決まってマッチが売り切れだよ。どうしてだろうとタバコ屋の娘に聞いてみたら、あんたのところの子供がしょっちゅう、おじいさんに頼まれて買いにくると言っていた。いったい一ヵ月にマッチを五十箱も何に使っているんだい?」~

この質問を受けて、老絵描きは「なんのことだか、さっぱり分からんな」と言うどころか、面食らって思わずこんな嘘を言ってしまったんですね。

~全く身に覚えのない話だった。私は頭が混乱して、その場をしのごうと、嘘を言ってしまった。
「なあに、筆代わりにマッチを使っているのさ。マッチでボッと火をつけるだろう。その火で木製パネルを焦がす。マッチ一本で筆の役割を果たすのは五秒がいいところだ。ほんと、今回の作品にはマッチが星の数だけいるよ」~

”老絵描きは無意識に少年の嘘に気づき、少年をかばおうと、みずからも嘘をついてしまった”
僕は、いまになってそう思います。
少年の嘘を、嘘をもってかばう。
嘘に嘘をかぶせて、嘘ではない真のことにする。
そういうことが可能なのが、人と人がつくりだす世界なのですね。

ちょっと重い。ちょっと一般的人間論に触れてきているので、脱出します。

老絵描きの言葉を聞いた猟師は、”そうだったのか。それならそうと、最初に教えてくれればいいのに。もう、マッチなんていくらでも使ってよ。ほんと、すっきりしたよ”と、心をこめんばかりにこう言います。

~「まあ、がんばってよ。絵描きっていうのも大変だな」~

と言って別れ際に、獲物のウサギをおすそわけまでしてくれるんですから、タバコ好きな猟師は、なかなか憎めない気持ちのいい男です。
今日はこんなところで、失礼致します。


制作年月日 2008年5月21日
画用紙(サイズA4)
アクリルガッシュ、ボールペン、鉛筆、色鉛筆



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05/21 11:12 | 2008第2期毎日原画シリーズ(絵)
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