会いたくても
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作品 「次なる山」
次なる山



(絵)「2007年 毎日原画」より。

(文)1993年の旅、フラグメント(4回目)

 稚内市街を抜けると、日本海側にでようと、歩くことにしました。
 まだ、”くたびれた”ということもなく、日が落ちるまで歩こうと考えたんです。
 稚内で購入したマップを手に道を選びました。夏だというのに北海道の先端は肌寒く、一日中Tシャツの上にマウンテンパーカーをはおって歩き続けました。
 始まったばかりの徒歩旅行で少し緊張しながらも、なんか照れのようなものがありました。
”一体、みんなは僕のことをどんな感じで見るんだろうか?”と自意識がどんどんふくれあがっていったんですね。
 稚内の街をあとにすると、すぐに田舎道になって、道路わきに家もない。車もたまにしか通らない。僕のことを気にとめてくれる人が、そもそも周囲・周辺にそのとき誰もいないのに...
”僕はやっぱり旅人に見られるんだろうか?”
”出会った人には、どんな事をきかれるんだろうか?”
と考えごとをしながらペットボトルの水をがぶ飲みしては、もくもくと歩き続けました。
(ほんと、今ならあたりの景色を眺めながら歩き、居心地の良さそうな所を見つけては休憩するんでしょうけど・・・汗)
”浮浪者だと思われたらどうしよう?”
”どう返答しよう?”
”家出少年と間違われたら、あああ...どうしよう!”
”いや、待て!この歳でも家出少年かな。いや家出青年と呼ぶべきかな?”
”あぁぁ。家出なんかしていないのに!警察に引き渡されたりしちゃったら面倒臭いな・・・”
 なんて、いつのまにか危機意識までもって歩いていくと、道は峠にさしかかりました。けっこう急な坂で、この旅最初の苦労でした。
 この峠、あと少しで頂上かな?という地点です。
 なんと、峠のてっぺん辺りに、すっごい、ひたすら高そうな山の頂が顔をみせたんです。
 坂を登っていくうちに、新手の山の姿はどんどん明確になっていきました。
「なにー!なんだあの山は!でかすぎる!あんな山を越えることができるのか!?無理だろう!道を間違えたのか!俺は日本海側を目指しているんだよ。この峠を越えたら、海が見えるはずなんだよ。なんなんだよ、あの仙人が住むような山は!遭難してしまうよ!」
 非常に困惑して、僕は峠を登りきりました。下り道に入っても、道の真正面には、どっしりとした三角の山が鎮座しています。
「嘘だろう。嘘だって言ってくれ!」
 僕は、”どの道に切り替えようか?僕の今のレベルでは、本格的な山登りは無理だ!迂回だ!”と切羽詰まる思いで真剣に検討しながら、足早に坂を下っていきました。
 しかし、それはいらぬ心配でした。峠を下るにつれ、前方に真っ青な海が見えてきたのです。(オー!海って素晴らしい!海って、時に、”そこにあってくれるだけで素晴らしい!”)
 それと同時に、そびえ立つ山が、島だということも分かりました。
 マップを開き、島を確認しました。島の名前は、”利尻島”。
 もちろん後から知ったことなんですが、”利尻富士”とも呼ばれる美しい島です。
 僕は坂を下りながら、眼下にひろがる海や、沿岸部の小さな町、そして雄大な利尻富士を眺めながら、ホッとしつつ”なんだか未知に向かっていくというのは、心のうねりが凄まじいな”と感動に浸っていたのを記憶しています。(うーん!僕にとっては、未知なるファンタジー!でした(笑))
 本日はこんなところで...失礼致します。





制作年月日 2007年12月10日
画用紙
ボールペン、アクリルガッシュ



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05/02 10:24 | benメモ
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