会いたくても
3七枚の絵、七つの話 第3話
 七枚の絵、七つの話



  第 3 話

 
 旅行時、南極以外の地球上に数カ所だけ存在する特別認可居住区の村で一日を過ごすことができた。そこで偶然に立ち寄った古ぼけた喫茶店で、大昔の雑誌をペラペラとめくっていると、南極大陸移住キャンペーンチラシがはさまれてあるのを見つけた。私は旅の記念にと、ポケットにそれを差し込んだ。
 ツアールールブックに、旅行中は指定された売店でしか物を買うことはできず、どんなものだろうと決して勝手に持ち帰ってはならない、と記載されていることを知っておきながら。

 それが、実を言うと私の泥棒のはじまりだった。

 その後、盗みの技術を磨き、成人を迎えるころには自然保護エリアでの盗みを専門にする一人前の泥棒になっていた。
 通常は南極に住み、売れない画家兼詩人として世間に体裁を繕ろう。
 だが、盗みの仕事が入ると「生活費に困って出稼ぎにでる」と近所の人に言って南極を違法に外出する。そして最新の保守テクノロジーシステムで守られた自然保護エリアを縦横無人に駆け回り、依頼者の目当てのものを確保し持ち帰っていた。



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04/09 11:11 | 小説 七枚の絵、七つの話(絵つき小説) | CM:0 | TB:0
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